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アクセサリーOEMの仕様書・スペック
アクセサリーOEMで必要になるスペックや仕様の知識、仕様違いトラブルの事例と解決方法などについてまとめました。
アクセサリーOEMの仕様書で決めるスペックとは?
アクセサリーOEMの仕様書に記載する各仕様やスペックについて解説します。
品名・仕様
品名には商品名を記載します。仕様の部分は、作成したいアクセサリーに関する特記事項があれば記載しておきましょう。
材質
K10,SV925といった使用したい材質を記載します。OEM会社によって使用できるベース金属には違いがあるので、対応しているか確認のうえで依頼する必要があります。
ゴム型
ゴム型に関する内容を記載します。焼きゴム型や液ゴム型など素材や色などについて書きましょう。
ゴム型はアクセサリーを複製する際に必要なものです。対象となるアクセサリーを、ゴムを使ってかたどります。
打刻
金性の刻印について記載します。対象となるアクセサリーが細すぎて刻印を入れられないときは、なしと記入すればOKです。
キャスト
キャストは、鋳造のことです。型のパーツ数などを記載します。ワックスで作られた原型を石膏でかたどり、石膏内に金属を流し入れてアクセサリーを作成します。
仕上げ
表面の加工(つやあり・つやなし)など、テクスチャーについて記載します。
金属のリングであれば、鏡面仕上げやマット加工などのほかに、ヘアライン加工や凸凹を付ける加工などがあります。
石留
留め方について記載します。複数の石を使う場合は、それぞれについて書きましょう。
留め方には、爪留めや玉留め、メレ留めなどの種類があるので、デザインと名称に齟齬が無いように気を付けましょう。
メッキ
K10メッキ、K18メッキ、ロジウムなどといった、メッキに使用する素材を記載します。OEM企業によっては、ピンクゴールドメッキやガンメタメッキなど、色のバリエーションを豊富に用意しています。
また、金属アレルギー対応のメッキが使用できることもあるので、必要なら確認しましょう。
写真・略図
参考写真やサイズ等を記載した略図を記載します。作成の際に注力して欲しいポイントなどがあれば、注釈を入れると良いでしょう。
製品サンプルとは
製品サンプルは、実際に販売している商品を指します。または、他社で作成したアクセサリーを言うことも。どちらも、同様のアクセサリーを作りたいと考えている際に必要なものです。
文字や画像だけでは伝わらない細かなところも、実際の製品があることで伝わりやすくなります。OEM企業側も、仕様書では分からないことがあれば、製品サンプルをもとに確認してくれるでしょう。
ですが、本来は売れるはずの商品をサンプルに回してしまうとずっと在庫を抱えることにもなってしまうので、相違が無いように仕様書に落とし込んでおくのをおすすめします。OEMの経験が浅いのであれば、依頼先に聞いてどのように記載すれば製品サンプル同様のアクセサリーが作成できるか、アドバイスを仰いでもよいでしょう。
OEMに多いトラブル・仕様違いとは
仕様違いとは、文字通り仕様書の内容と違う製品が作られてしまうことです。よくあるのが、色の違い。仕様書だけでなくサンプルも送付していたのに、納品されてみたらイメージしていた製品にはなっていないケースです。
色の感覚は、国によって異なります。そのため、海外の業者に依頼すると、国の違いによる色の感じ方の違いから、想定していた製品とは異なる仕様で出来上がってしまうのです。
感覚の問題だけでなく、生産体制によるトラブルもあります。依頼通りに作成するとうまく作業ができないと、勝手に使用を変更されてしまうケースです。事前に相談があれば、キャンセルしたり、納得のうえで仕様変更を受け入れられますが、事後報告になることでトラブルになります。
仕様違いを防ぐ方法
仕様違いを未然に防ぐには、1つは仕様書やサンプルを誰が見ても分かるように書くことです。Aと書いたらA以外のことは考えられないようにしましょう。「ここまで書かなくてもいいだろう」と業者に判断をゆだねる書き方をしないことが大切です。
海外の業者へ依頼する際は、誤訳されないような工夫も必要になります。指示や素材名、サイズなど、依頼先の国の言葉を理解して仕様書を作成しましょう。
もう1つは、日本国内の業者に依頼することです。色の感覚や仕事の仕方など、同じ日本の業者であれば大きく異なることはありません。
また、国内の企業であれば何かあった際に連絡がしやすいメリットがあります。メーカー側として仕様を変更したいときや、OEM企業側が仕様に関する質問をしたいときなど、双方にとって利点です。もし、OEMのトラブルが続いているようであれば、依頼先を日本企業に変えて試してみてはいかがでしょうか。
検品基準と不良品率:トラブルを防ぐ品質管理のポイント
仕様書通りに作られていても、アクセサリーの大量生産の過程では必ず「個体差」や「微細な傷」が発生します。
「どの程度の品質なら合格(良品)とするか」をあらかじめ決めておかないと、納品後に「思ったより質が低い」「いや、これは許容範囲だ」という水掛け論になりがちです。
ここでは、発注前に決めておくべき検品・品質管理のルールについて解説します。
「良品」と「不良品」の境界線を決める
トラブルを避けるためには、何をもって「不良品」とするか、具体的な基準(検品基準書)を設けることが大切です。
大きく分けて「機能面」と「外観面」の2つをチェックします。
- 機能面の欠陥:金具が留まらない、石が取れている、ポストが折れているなど(これらは当然NGとなります)。
- 外観面の欠陥:メッキのムラ、微細な傷、バリ、接着剤のはみ出しなど。
特に揉めやすいのが「外観面の欠陥」です。これらは個人の感覚に左右されるため、以下のように具体的な指標を共有することをおすすめします。
基準例としては、「着用時に30cm離れて見て目立たない微細な傷は良品とする」、あるいは「裏面の傷は許容するが、表面の傷はNG」といった具体的なルールを設けましょう。また、言葉で伝えにくい場合は「限度見本(これ以上汚いとNGというギリギリのラインのサンプル)」を業者と共有し、視覚的に合否ラインを擦り合わせることも有効です。
「許容不良品率」と「予備生産」の考え方
初めてOEMを依頼する際に驚かれることが多いですが、特に低価格帯の商品や海外生産の場合、「不良品率はゼロにはならない」のが一般的です。
数%程度の不良品が混入することを前提に、以下の対策を検討しましょう。
許容不良品率(AQL)の設定
全体の何%までの不良なら返品・交換の対象としないか、事前に契約で握っておく考え方です(例:不良率3%以下なら免責など)。
これを決めておくと、わずかな不良で全品検査や再生産といった大きなトラブルになるのを防げます。
予備(スペア)の確保
不良品が含まれることを見越して、発注数に予備分(オーバーラン)を含めて多めに納品してもらうか、販売予定数より少し多めに発注しておくのが安全です。
イベント販売などで「数が足りない」という事態を防ぐことができます。
検品のタイミングと担当者
品質を守るための「検品の砦」は3段階あります。
- 工場出荷前検品:メーカー側で行う検品。ここでの基準が甘いと、不良品が日本に届いてしまいます。
- 第三者検品:海外生産の場合、現地の「検品代行会社」を挟む方法です。コストはかかりますが、日本に届く前に不良を弾けるため最も確実です。
- 受入検品(重要):商品が手元に届いたら、必ず数日以内に自分で検品を行ってください。
多くのOEM業者では「納品後7日以内の連絡に限る」といった返品・交換条件を設けています。箱を開けずに放置し、いざ販売しようとしたら不良品だった、とならないよう注意が必要です。
万が一、基準以下の不良が発生した場合の対応ルール
どれだけ対策しても、想定以上の不良が発生することはあります。その際の対応ルールも事前に確認しておきましょう。
- 返品・交換の条件:不良分を再生産してくれるのか、返金対応か、あるいは次回発注時に相殺(クレジットノート)するのか。
- 送料の負担:不良品を返送する際や、良品を送り直す際の送料はどちらが持つか。(特に海外OEMの場合は送料が高額になるため重要です)
国内の業者であれば、こうしたトラブル時のコミュニケーションもスムーズですが、海外業者へ依頼する場合は特に、これらのルールを細かく書面で残しておくことが自分の身を守ることにつながります。
アパレルOEMなら完成品のイメージが具体的になくてもOK!
アクセサリーの販売を始めたいけど、デザインをどうすればよいか分からないときは、アパレルOEMを利用してみましょう。ふんわりとしたイメージしか持てていなくても、サンプルを使用しながらデザインの相談にのってくれるだけでなく、提案もしてくれます。
また、アパレルOEM企業は、市場調査を行っているため、希望のデザインとトレンドを兼ね備えた提案をしてくれます。作りたいアクセサリーのターゲットに合わせたスペックは何かなど、「買いたい!」と思わせるアクセサリー作りに協力してくれるでしょう。
- アクセサリーOEMの業者探しサイト:ACCEM
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- アクセサリーOEMでオリジナルの刻印を入れる方法
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確かな品質のアクセサリーを依頼できるOEM業者を調査しました。公式HPに実績についての記載があり、かつ国内生産をしていて使用素材と対応商品が明確な3社をご紹介します。どのような商品を作ることができるのか、何の素材を使えるかなど、制作に必要な情報をまとめています。
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![]() 引用元:スペース公式HP(https://space-japan.net)
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![]() 引用元:石友公式HP(https://www.ishitomo.co.jp/index.html)
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![]() 引用元:B L.S.公式HP(http://bls-bell.com/)
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| 使用できる ベース素材 |
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| 対応商品 |
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| 修理対応 | 〇 | ー | 〇 |
| サンプル納品 スピード |
2~4週間 | 3~4週間 | 3~5週間 |
※選定基準:2021年7月16日時点で「アクセサリー OEM」とGoogle検索してヒットしたアクセサリーのOEM業者の公式サイト30社を調査。実績について記載があり、かつ国内で生産を行っている業者の中でも、使用可能な素材と対応可能商品の両方が明確な3社をピックアップしました。



